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エル・スール  EL SUR

2007–07–11 (Wed) 00:00

0845.gif  


こぼれ落ちたひとすじの泪

★★★★★★★★  



おぼろげな闇の中 淡く差し込む光の輪郭
窓の外の薄枯れた、どこまでも静かな景色
どこか寂しげな、簡素で丁寧に暮らす人々


そのエリセの静謐な内的世界観がどんなに心地よかったことだろう
私はエストレリャ自身であり、エストレリャの眼差になっていた


それは、大人になった少女の静かな追想


父が残した振り子に込められた意味を感じ取り
エストレリャの頬にこぼれる一筋の


10年に一本の映画しか撮らないといわれるビクトル・エリセ
かすれたような曖昧な輪郭に浮かぶエリセの映像は
まるでセピア色の写真を見るような懐古的隠喩さに満ち
人間への限りない郷愁が詩情豊かに紡がれている 


北スペインの片田舎 「わたし」の家には
いつも、少し謎めいた父と 父を見守る堅実な母
住み込みのお手伝いさんが居て
そして、いつも父の姿を追っている「わたし」が居た
そして父はエル・スール(南)に忘れ得ぬ想いがあった


振り子で水路を当てる父の神秘的な横顔に
憧れと興味と誇らしさを抱くエストレリャ
幸せに満たされた聖体拝受の儀式のとき
「どこにも行かないでね」と父の耳元でささやいた


好奇心でこっそり覗いてしまった父の秘め事
「わたし」の知らない大好きな父の別の横顔
父を待って、ベッドの下にそっと隠れてたささやかな反抗


「わたし」が、少女からちょっぴり大人になってゆくように
父も、以前の父とはもう違ってしまった


遠くを見るような父の眼差しに秘められた深く静かな悲しみ
心の深淵に焼き付いた忘れられない父の姿 
「わたし」の旅立ち


少女頃の追想は懐かしさと静かな痛みを伴うものだった


あの後、エストレリャは何を見て、何を感じたのだろう・・・
どんなことを考えていたのだろう・・・
それがとても気になっている

テーマ→オススメの映画 / ジャンル→映画

オーロラ   Aurore

2006–12–25 (Mon) 14:24
aurore.jpg



踊ること

愛すること

それは、運命

ただ美しく

昇華されるまで・・・





  
  ★★★★★★★☆
 
ある場所へ行って、帰ろうかな・・・と思ったけれど、「エコール」も「薬指の標本」もとうとう見逃してしまったし、やっぱり『オーロラ』を銀座で鑑賞することに。一定層の女性が好む映画なのかと思っていたら、老若男女の幅広い客層に思わず驚ろかされる。 

それは、とても美しい物語。映画というジャンルに捉われず、繊細な美しい芸術を愛でる作品として、バレエ好き、お伽噺好きの方にはオススメしたい。森やお城を見ていると、何故かディズニーの眠れる森の美女のシーンとフラッシュバックしてしまう。私のオーロラ姫への想いはこorora2.jpgこでは割愛するとして、後で分かったことは、やはりこの作品のベースもシャルル・ペローのねむり姫で、そこに監督が味付けして新たなオーロラ姫を描いたのだという。可憐なマルゴ・シャトリエのオーロラ姫や、パリオペラ座のエトワールやトップダンサーたちのダンス、そして、光にとろけたとても美しい背景と優美な衣装や美術にうっとりと浸りつつ・・・・・。飛翔するオーロラは女神のようであった。マリアージュフレールの特別メニュウ、『オーロラ』をイメージした、6種類のプティフールと紅茶も味わってみたいもの。
同館で上映中の、「敬愛なるベートーヴェン」も「人生は、奇跡の詩」も、上質な作品揃いで観たかったのだけどあえなくタイムアウト。。単館上映はこういうとき悲しかったりする・・

イーオン・フラックス AEON FLUX 

2006–03–14 (Tue) 00:00
aeonflux.jpg最強で美しきレジスタンスの戦士 イーオン
彼女の封印された記憶こそが、
人類を真実へと導く鍵だった。

 ★★★★★★      

日本公式サイト  アメリカ Official Site


美しさだけに頼らない骨太さ、意識の高さ、演技への貪欲さなど、そのプラスα な人間としての厚みに惹き付けられるシャーリーズ・セロン。最も強く美しい戦士としての圧倒される美しさ、筋肉隆々ではない、あくまでもしなやかで優雅なカッコよさに充分うっとりとして参りました。

元バレリダンサーである柔軟性や身体能力の高さ、元トップモデルとしてのクールな着こなしと、プロポーションの素晴らしさはもう完璧です。どこを切り取ってもスタイリッシュで絵になるカッコよさ。イーオンのシャープさを感じさせる黒髪も素敵です。お洒落なものや美しいものが好きな私としては、セロンの役作りだけでも充分満足。勿論、演技派の彼女ですから、体を張った演技も流石です。そしてこの映画、全体としてはとてもヴィジュアル的な作品です。
バウハウスの幾何学的モダニズムの建築様式にインスパイアされたブレーニャの世界観。妹ユーナの家のインテリアなんて日本的な味付け具合もスタイリッシュでお洒落です。番傘を差す人々や桜など、そこは日本にルーツを持つカリン・クサマ監督ならではの、2415年の未来像や趣味が反映されているのでしょうね。

holocaust.jpg肝心な内容の方は、彼女の美しさやヴィジュアルを楽しんでいたので、特別つまらないなんて感じませんでしたが、登場人物の過去の背景が見えてこない分、心理描写が理解し難くかったのと、モニカン自体が謎のまま尻切れトンボに終わったのはどうでしょうねぇ。

結局、イーオンの出した結論「限りがあるからこそ、命の喜びや実感がある」という普遍的なテーマで最期はまとまりましたが・・・。モニカンは一体何だったの?という疑問だけが残りました。
ホテル・ルワンダの怯える役柄から一転、ソフィー・オコネドーもかなりの身体能力を発揮してました。手を足に移植なんて考え付かない発想で、興味深く観察してしまいました(笑)トレバー・グッドチャイルドを演じた、マートン・ソーカス(ロード・オブ・ザ・リングではガラドリエルの夫ケレボルン役)の瞳が、なんとなくラッセル・クロウに似ていて、個人的にどうも好みのタイプだったみたいで(笑)主演の二人を見るだけでも楽しめました。
JAPAN-205736-1_picture-77718_viewimage.jpg来日したシャーリーズ、美しい!


せっかくなので【バウハウス】について
1919年にドイツワイマールに、ヴァルター・グロピウスの手のよって開校された造形学校。 すべての芸術を大建築のもとに終結させ、新たな社会を作り上げていくため、学生、教師が一丸となって、取り組んだ近代デザインの実験、生産工房、デザイン集団として、超前衛的な校風であったバウハウスが手探りで作り上げた、デザイン、教育は、後世の芸術・思想・教育に与えた影響は、計り知れない。
テーマ→イーオン・フラックス / ジャンル→映画

オペレッタ狸御殿

2006–03–07 (Tue) 00:00
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漆塗りの箱に並べられた甘く美しい和菓子のよう

★★★★★★★  
   
公式サイト

時は戦国時代と思しき日本。がさら城の城主・安土桃山(平幹二郎)は、息子・雨千代(オダギリジョー)が自分よりも美しく成長してきたことを妬み、人間が足を踏み入れてはならない「狸ケ森」に放逐してしまう。しかし雨千代はこの「狸ケ森」で狸姫(チャン・ツィイー)と出逢い恋に落ちるのだった。しかし二人の恋には度重なる障害が待ち受けていた。人間の雨千代との恋を諦めさせようとする狸姫の乳母・お萩の局(薬師丸ひろ子)、さらには安土桃山は雨千代を殺そうと決意する。そして非業の死を遂げてしまう雨千代。悲しみのあまり後を追う狸姫。しかし雨千代の母(美空ひばり)は愛の力で二人を蘇らせようとするのだった・・


想像以上にツボ。期待度30%程度だった分、良い意味で裏切られてしまいました。きっと嫌いな人は退屈なハズ。私も途中までは、あまりの退屈さに睡魔との闘いでございました(笑)和製オペラがベースなので、セットといい演技といい舞台芸術を観ている感じです。

でも、途中で、この作品の持つ粋なセンスと楽しさや可愛さに気づくと、この耽美な世界観に一気に惹き込まれるようにツボにハマってしまいました。そして、素晴らしいのは日本の伝統美を生かした和製アートともいうべき美術や、伊藤佐智子さんデザインの衣装の見事さ。もう雅やかでとても美しくうっとりです。

狸姫役の、チャン・ツィイーの歌は上手とはいえないけど、「恋する炭酸水」(公式サイトでも中国語で流れています)という曲を唄うその綿飴みたいに甘くやわらかな歌声と映像が見事に溶け合って、いつしかその旋律になんともいえない心地よさで満たされてゆきました。

  ソーダ水の雨が上がって メロン色した たそがれのとき
  みつめるふたり ひとみすきとおって このすきとおったこころで
  つめたいのどごしと ほのかにのこる あまいかおり♪ 


  なんともレトロ~な感じのメロディ&歌詞で夢心地。
  メロンの部分は2番ではレモン、3番ではいちごになって可愛い。

あと、由紀さおり扮するびるぜん婆々の唄う『びるぜん婆々のマイウェイ』がもうっ最高!!(笑) 薬師丸ひろ子演じるお萩も歌が巧くてビックリ。がらさ城の城主安土桃山を演じた平幹二郎は、「けものみち」でもそうだけど、段々怪優になってきましたね(笑) 美空ひばりの声や唄も、吹き替えではなく再現されてるんですよ。CD購入検討中。

雨千代を演じたオダギリジョーは、この作品は演じる上で苦しんだそうです。完成するまで作品の意図って演じてる側にとっては暗中模索かもしれませんね。でも、チャン・ツィイーと寄り添ってる姿なんか観ていると、すごーく絵になって可愛らしい二人です。チャン・ツィイーは彼のこと、「無口な人」と言っていたけれど、役柄への苦悩がジョー君をストイックにさせていたのかもね。

カンヌ映画祭でスタンディングオベーションでしたっけ?でも外国の方が観たら、この摩訶不思議で美しい世界観は感動ものでしょう。こんなサイケな道楽的時代絵巻を作っちゃった鈴木清順さんて、かわゆいおじいちゃまですわ。
テーマ→なぜだか好きな映画 / ジャンル→映画

ウォーク・ザ・ライン/君へ続く道  Waik the line

2006–03–06 (Mon) 00:00
d722d34c-s.jpg fe1f6a42-s.jpg
 
初恋から続いていた道

★★★★★★  公式サイト

  
グラディエーターの皇帝役が心底憎らしく感じたホアキン・フェニックス。それだけ彼の演技は素晴らしゅうございました。「グラディエーター エクステッドスペシャルエディション」の中で、ラッセル・クロウとリドリー・スコットが「今度、ホアキンがジョニー・キャッシュをやるらしいよ。フフフ。」と意味深に笑っていたのも気になり、ホテル・ルワンダのカメラマン役でも印象を残した彼の新境地に期待を寄せていました。

エルヴィス・プレスリーやカール・パーキンスと共に、50年代ロカビリーの黄金期を築いた伝説の歌手ジョニー・キャッシュ。 ジョニーの人生は、生い立ちが全てのベースを作っています。

優しかった兄の突然の事故死による父(ロバート・パトリック)との確執。
兄が作業中に事故に遭ったと知った時、釣りから帰ってきたジョニーにどこに行ってたんだ』と言った父の言葉は、兄一人に仕事を押し付けた結果、彼が死んでしまったという自責の念を彼にに背負わせてしまいます。 
そして、『良い子は悪魔が連れて行ってしまった。何故お前じゃなくてジャックなんだ』 と行き場のない悲しみでジョニーにあまりにも酷い言葉を投げつけてしまう父。父からのモラルハラスメント(言葉や態度による精神的虐待)は、彼を自己否定の呪縛にかけてしまうのです。

悲しい現実を受け入れられないままトラウマを抱え、歌という拠りどころで心の穴を埋めながら生きてきたジョニー。
大好きだった兄とこっそり聞いていたジューン(カーターファミリーの次女)の歌声と、父の怒りを諌める時に口ずさむ母の歌声。いつもジョニーは彼女たちの歌に安らぎを感じ、自分の存在価値を歌に見出していたのだと思うのです。

成功してもどこか満たされないジョニーの、家庭を壊すほどのジューンへの情動。それは彼女に対する憧れだけではなく、兄と彼女の歌声を聴いていた幸せだった瞬間を回顧する気持ちが、彼を衝き動かさずにはいられなかったのかもしれないと思った。トラウマと思うようにいかぬジューンへの想いに苦しみ、ドラッグによって精神的均整を崩してゆくジョニー。
そんな彼を救えたのは、やっぱりジューンしかいなかったと思います。

ジューンはジョニーにとって、運命の女神だったのでしょうね。一般的に初恋を成就させる確立なんてかなり低いけど、彼は憧れのスターとの恋を成就させたのですからその一念は凄い。トラウマを乗り越えさせ、堕ちかけた彼を再起させた愛の力、歌の力って凄いなーと思います。
ステージで口をきかなかった年数は10年という宣伝文句は過剰表現では??と思いましたけどね。

自称音痴というホアキンの歌声は、リーズ・ウィザースプーンとのトレーニングの甲斐あってジョニー・キャッシュご本人の声になんとなく似てるなと思いました。アカペラの方はダメダメ(笑)あれではレコード化に無理があります。
リーズはハリのある声で巧いなぁと思いました。ジューンご本人より万人受けしそうな声だと思ったのだけどどうでしょう。

影のある役をやったらホアキンは本領発揮しますね。ただ、個人的にはコモドゥスと表情なんかやっぱりダブりまくりましたわ。鑑賞中かなり体調不良に陥り、早く終わらないかな・・なんて思って観てしまったし、なかなかレビューも書く気になれず、トホホって感じでございました(涙)

追記 (リーズ、オスカーに輝きましたね。私的には「スタンド・アップ」のシャーリーズ・セロンの方が良かったけど・・・。出演料もジュリアを抜いてハリウッドNo1女優になったばかり。)

オリバー・ツイスト  Oliver Twist

2006–01–30 (Mon) 00:00
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涙のあと幸せはやってくる

決して無垢な心は汚されない。


★★★★★★☆



まるで刑務所のような養児院から、5ペンスで厄介払いされた孤児のオリバー。
その後も運命に弄ばれ、ロンドンのバックストリートで、盗人フェイギンや悪党のビルと出会い、スリの容疑をかけられたオリバーは、無罪と知った被害者のブラウンロー氏の温情で引き取られることになった。でも、ビルの企みで、オリバーは更なる事件へと巻き込まれてしまう。



戦場のピアニストでアカデミー賞に輝いた、巨匠ロマン・ポランスキーの手によって、甦った 文豪チャールズ・ディケンズの名作「オリバー・ツイスト」

まるで原作の挿絵のようなデッサンと、ストーリー性溢れる音楽に誘われ、文学の香り漂う19世紀のイギリスへ。

9歳の孤児オリバーの人生はとにかく理不尽なことのオンパレード。
原作が純文学だけあって、波乱万丈、勧善懲悪なストーリーが詰め込まれ数々の試練でも色褪せないオリバーの無垢な心に、ラストでついジーンとなる。
そして、この作品のテーマが最後に集大成となって浮き彫りにされるゆく。
私自身も、途中、少し辛口な採点をしていたのだけれど、ラストに来て、一気に★一個分多く献上する気持ちになってしまった。

オリバーがただひたすら歩くシーンで、風にそよぐ黄金色の草原が美しい。

この時代のイギリス人って(実際はどうか分からないけど)偏屈で
やな奴が多い。よくもまあ次々に人間不信になりそうなことが起こること!
貧しく弱者側である人間が、いかに生き難い時代だったのか、オリバーを通してディケンズが描きたかったことがよく分かる。

 オリバーを通して、環境だけが人間を悪に傾かせるのではなく、
 大切なのは人間の心の軸がいつもどこにあるか・・だと
 ディケンズは伝えようとしていたのだと思う。
 オリバーの無垢さをブラウンロー氏が見抜いたのもそうで、
 類は友を呼ぶように、無垢な心は善良な者と引き合う。
 繰り返し描かれるこの名作には、そんな自然の摂理と、
 いつの時代も変わらぬものの価値が描かれている。

img6a.jpg重厚さを感じさせる、美術やセットの丁寧な作りとオリバー役のバーニー・クラーク君の静かな存在感が端正な顔立ちのせいか、物語に静かな品格を添えている。
 
名優ベン・キングズレーは、ガンジーの時もそうだったけど、化けっぷりは、ほんとピカ一だなぁと思う。

関わる人間達や社会は「現実」、オリバーは「」を表していて、この世は理不尽なことに満ちているけれど、良いことは平等に巡ってくる。
貧しくても心を失わず生きよう!そんなディケンズのメッセージが希望と共に物語の中に紡がれている。



脚本担当、ロナウド・ハーウッドのチャールズ・ディケンズ像。
「今回初めて彼の作品を脚色してみて、最も偉大な英文学作家だと思ったよ。彼は20代で「オリバー・ツイスト」を書いている。偉業だよ。それに金に困っていたので、執筆は大急ぎでして、他の用事をこなさなくてはならなかった。ジャーナリストで法廷記者だったから、恵まれない人々と常に関わりを持っていた。ディケンズは負け犬の王者だった。そして19世紀のロンドンには負け犬は大勢いた。そんな時代に社会小説を書いていたんだ」

オーロラの彼方へ  FREQUENCY

2005–12–27 (Tue) 00:00
frequency1.jpg

オーロラが起こした奇跡

地球を取り巻くオーロラの幻想的なオープニングが
ただならぬ気配を感じさせる。

★★★★★★☆




30年以来のオーロラがNYの空に現れた夜のこと、36歳の刑事ジョンは、偶然、死んだ父のアマチュア無線を見つけた。そこに突然通信してきた相手、それはなんと30年前の父フランクだった。
オーロラの現れた過去と現在が、時空の歪みによって繋がった瞬間だった。ジョンは、消防士として殉死したことを父に知らせ回避させる。でも、その変えられた過去によって、今度は母が殺されるというとんでもない現実を生んでしまう。



クロスしたのは、『バタフライ・エフェクト』
過去を変えれば、未来はとんでもない方向へ変わってしまう・・という
共通したパラドックス物ではあるのだけど、ジョンは過去に戻れる訳ではなく、父との無線だけが過去を繋ぐ唯一のプラグになっている。
現在と30年前が同時進行し、変化した過去の断片的な記憶のみが、ジョンの脳裏には記憶されてしまう。

scene3.jpg scene2.jpg
父に生きていて欲しかった。もう一度会いたかった。

なかなか巧みな脚本で、通信相手は死んだ父なのか?・・・というところから一気に観客を引き込み、中だるみもないテンポ良さは飽きさせない。
登場人物それぞれの設定が上手く絡み合いながら物語は進行し、父と息子がヤンキースファンというのも重要な役割として物語を膨らませている。
30年前が変わると、途端に現実にも結果が現れる場面も面白い。

ただ、ジョンに襲い掛かった犯人の存在は一体・・・と疑問を感じたり、オーロラの頻繁な出現やラストは、ちょっと都合良く感じなくもない。
でも、ありきたりの家族物ではないところが良い。

ジョン役のジム・カヴィーセルは、衝撃作『パッション』の崇高で凄絶なキリスト役とはまるで違う、人生の壁にぶつかった陰のある普通の青年を演じている。そして、善良で暖かい父の存在感がとても良かったデニス・クエイド。まさにアメリカの良き父親像ではないだろうか。
彼の存在感が、親の有り難さ、家族の大切さをより一層感じさせてくれる。
テーマ→映画感想 / ジャンル→映画

ALWAYS 三丁目の夕日 

2005–11–30 (Wed) 00:00
always.jpg
 
そこはリアルな体感世界

母の少女時代へのタイムスリップ。
それは、とても楽しい体験だった。

★★★★★★★★★★ 



古き良き時代だった昭和33年を、まさに体感させてくれるこの作品

ノスタルジー溢れるリアルな映像は圧巻で、
何故かそれだけでも涙腺が緩みそうになる。

リアルタイムに生きた方達だったらきっとどんなに感慨深いことだろう。大きなスクリーンほど、この体感度は高くなるに違いない。

気取りの無い人間味溢れる人々の織り成すドタバタ劇は、時にはほっこり、時にはじんわりとこころを暖かくしてくれる。
それぞれが熱く演じる、あの時代にいそうな人々もとても良い。中でも、包み込むように優しい古き良き時代の母を演じた薬師丸博子の暖かい存在感がとても良かった。私自身、あんなお母さんになりたいと憧れているのかも。

1000398_02.jpg

希望に溢れて真っ直ぐに生きる、夕日町の人々の悲喜こもごもを共有していると、豊かになったこの現代、その豊かさと引き換えに失くしてしまったものが、どんなに素敵なものだったかを改めて実感させてくれた。

それは、本当の意味でのこころの豊かさ

その時代を知らない山崎貴さんがVFXを手がけたのも驚きだった。高度な技術とセンスを持つ凄い方だと唸らせられる。
作り手たちの愛情が結実したこの上質なファンタジーを、ぜひ環境設備の良いスクリーンで体感していただきたいと思う。  

セットや小物まで全てが良い具合にレトロで、私にとってはお宝が
いっぱいなところも堪能することができた。

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