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禁断のエバ  Dreaming of Joseph Lees

2009–11–12 (Thu) 00:00
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★★★★★☆

日本未公開なのだろうか。映画天国で放映されたのを鑑賞。サイコサスペンスとなっているけれど、サスペンス色は薄く、ストーリー自体に目新しさはない。

1114028.jpgでも、主演のサマンサ・モートンが良い。ひと目見て、ただの女優ではないなと思った。小顔を際立たせるヘアスタイルと細い首筋が印象的な、ケイト・グリーナウェイの描く乙女のような華奢な容姿。儚くたおやかで汚れを知らぬ面持ちや佇まいは、フィリッポ・リッピの描いた私の大好きな聖母像さえ彷彿とさせる。その純潔さや恥じらいが剥がれてゆく様、噴霧のようにほとばしることを抗いがたい秘められた情念。静であって動。サマンサの演じるエバは、ハリーやジョセフが夢中になるのを納得させるだけの魅力がある。 こんな凡作でさえサマンサが演じると深みが出てちょっとした純文学風になってしまう。うたかたの日々のクロエも演じてみて欲しいし、サマンサに演じて欲しい作品がいっぱい浮かんでくる。

三角関係の末に嫉妬と執着で自虐的にサイコ化してゆくことで、エバを繋ぎとめようとするハリー。従兄弟のジョセフに恋焦がれながらも、愛される喜びに身を浸してみたかったエバ。でも、ジョセフと再会し恋心が再燃してしまう。はっきりいってエバは女であり過ぎただけなのだ。天国を知りたくないか?と耳元でささやかれて目覚め始めたエバの女性性。ハリーは、見た目も性質も苦手で私が永遠に愛せないタイプ。自虐的なネガティブさには息が詰まるし、発想が幼稚で感情移入ができない。相手の身体に害は及ぼさないまでも、同情を引いて精神的に縛り付ける愛し方しかできない。ある意味、愛はそこまで人を愚かにさせるものなのだろう。純粋だった愛も変化してゆく。絡まった感情をほどくのは容易ではないものだ。

愛すること、愛されること、人生の大半はそれが人間の最大のテーマといってもいい。愛は自分のなかに眠る愚かさや尊さを目覚めさせる。愛は人を喜びに輝かせ、奈落にも突き落とすほどの威力がある。だから映画や文学や歌も、尽きせず様々な愛の物語が生まれ続けるのだろう。

96時間

2009–08–29 (Sat) 00:00

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★★★★★★★☆


パパ強すぎ!!!

スーパーマン参上!?(娘限定)

人間兵器MAX


ジェイソン・ボーンといいキムパパといい
CIAの秘密工作員って実際、こんなに凄いの??


最愛の娘を取り戻すため
96時間のタイムリミットに挑むパパ


何があっても絶対に守る


娘のためなら誰であろうが容赦ナシ
エッフェル塔でも壊しかねない勢いで
ほぼ皆殺し破壊しまくりの
ちょっと親ばか?なパパ


娘の誕生日には重要任務さえ放り出し
娘の喜ぶ顔を見ることが唯一幸せ
それでも、仕事のために家族を失い
娘のために仕事も捨てて
今は、一緒に暮らせない娘を見守るただのパパ
でも・・・


娘の危機にはスーパーマンに変身!!


新しいパパが資産家で
サプライズな誕生日パーティをしようとも
こんなときにはなす術もない
所詮、お金は愛に勝てない
(そんなベタなテーマが垣間見える)


テンポよく歯切れよく解かりやすく
トントントンと進んでいく
ハラハラっていうのもないくらい圧倒的
ひたすら強いパパの鮮やかな殺陣を見守るだけ
出来すぎの展開ではあるが
90分でまとめるならアリとも思える


こんなスーパーなパパ滅多にいないって
分っているけどかっこいいー!

汚れなき悪戯 - MARCELINO PAN Y VINO

2008–12–12 (Fri) 00:00
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          ★★★★★★★★★★

キリスト関係の映画といえば、まずこの不朽の名作が浮かびます。子供のとき(マルセリーノくらいの頃)に観て以来、私の脳裏に深く刻まれた作品です。

スペインのある修道院の前に捨てられた赤ちゃんは、もう両親が亡くなっており、引き取り手がないために、マルセリーノと名づけられ、10人の優しい修道士に育てられます。
無邪気でいたずらっ子(本人は無自覚で悪気はないのですが)に成長したマルセリーノは、修道院周辺には子供がいないので、いつも一人で遊びながら、空想のなかで友達やママへの想いを膨らませていました。そんなある日、好奇心から入ってはいけない部屋に入ってしまいます。そこで 疲れ果てて見えるキリスト像に出逢い、親切にこっそりとパンやワインを持ち出し、せっせとキリストのもとへ運ぶのです。そんな無垢な少年の純粋さは奇蹟を起こし、キリストはマリセリーノの前では肉体の姿となってそのパンを食べ会話し、二人は心を通わせるのでした。そんなやり取りが続いたある日、キリストは、お礼に願いを叶えてあげるとマルセリーノに言います。そして、夢にまで見たママへの想いから、「ママに会いたい」と言うマリセリーノ。 キリストは少年の願いを聞き届け、マルセリーノを天国へ連れてゆくのでした。

子供心にとてもせつなくて、天国に行ったのも心が綺麗だから神様が一緒に連れて行ったんだと思ったものでした。そして、だんだん天国に行ったマルセリーノは、きっと幸せだったのではないかという想いが湧きました。あんなにママに会いたくて、その想いを遂げることができたからです。
作品のシンプルな素朴さや清らかさに触れて、天国は無垢で清らかな人の行く場所なんだと感じたものです。そして、天国ってどんなところなんだろう・・・きっと綺麗な場所だから、マルセリーノはママと幸せに暮らせるのだろうと想像しました。
初めてキリストという存在を知った気がするし、その後の私自身の、死への観念的な部分へも影響した作品でもあったように思います。

もっと肉付けされていた物語だったのだろうと思うのですが、私のなかで、特に、奇蹟の一連の流れが、今でも心に焼き付いています。それ以来、私にとって特別な作品であり、名作は色褪せないとつくづく思います。

そして、この映画で印象的なのが「マルセリーノの歌」。この作品を想い出すと、反射的にこの歌が私の頭のなかで自動的に流れ始めます。笑
私の家では、子供の頃、映画好きの母が映画のサントラのレコードコレクションを大事にしていて、名作映画のテーマ曲をよくかけていました。太陽がいっぱい、男と女、風と共に去りぬのタラのテーマ、そして、このマルセリーノの歌など、郷愁を呼び起こす名曲です。

マルセリーノが愛くるしい


- マルセリーノの歌(訳) -
追記 – open

岸辺のふたり  Father and Daughter

2008–10–31 (Fri) 00:00
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 8分間の永遠    ★★★★★★★★★

2001年度アカデミー賞短編アニメーション賞受賞作。
強く訴えるものもなく、流れるような映像を見ているだけなのに
胸いっぱいになる8分間の永遠。
セピアな絵本そのままのマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットの映像と
音楽と効果音だけの言葉のない世界は、凝縮された日々を詩的に綴りゆき
少女の重ね続ける想いがとてもせつなくて、ラストで涙が潤みました。


薬指の標本   L' ANNULAIRE

2008–10–04 (Sat) 00:00
薬指の標本   
★★★★★★★☆     公式サイト   

この靴を履いたまま、 
彼に封じ込められていたいんです。



始まってすぐ、キラキラしたガラス瓶の美しさと、ベルトコンベアーで流れる無数の瓶の揺れる音が、まるでアートの如く五感を刺激する。
そこはヒロインの勤めるソーダ工場(原作ではサイダー工場) イリスは作業で切り落とした薬指の先をソーダ水のなかに落としてしまう。そんなオープニングで始まる夏の暑い日の或る出来事。彼女は工場を辞め、導かれるように、森のなかにひっそりと佇む古い館のドアを叩く。


イリスは存在そのものが美しく、少し探るようなデリケートな面差しはどこか少女のようでもあり、でも、ひらひらと揺れるワンピースに包まれたその汗ばむ肢体は、艶やかな女そのものでもある。


標本技術師は、存在そのものがそこはかとないミステリアスさを醸し出している。その館には、若いころから住んでいる二人の老女がいる。その老女たちの若いころの集合写真に、何故か技術師が今のままの風貌で映っている。
そして、訪れる依頼人もまた音や頬の火傷跡といった、忘れたい過去の想い出や残骸を、標本にして欲しいと訪ねてくる。彼は何でも標本にできるとイリスに言う。けど実際、どんな標本になったのかは謎のままで、火傷の少女は技術師の謎の部屋に案内されたっきり、出てきた形跡もない。


わたしはまだ、一度も開けたことのないないその扉の前に立ち、ノブを握ってみたが、動く気配はなかった。重い鍵が何重にもかかっている様子だった。仕方なく、扉に耳を押し当て、目をつぶってみた。
向こう側は深い静けさの森だった。すべてのものがしんと息をひそめ、ただ静けさだけがゆっくりと渦を巻いていた。わたしは長い時間、そのうねりだけを聞いていた。しかし、いつまで待っても、何も起らなかった。



技術師の無機質で見透かすような謎めいた眼差しと一種独特なフェティシズムに、次第に虜になるイリス。いつしか、シュールで陶酔的な官能にうずもれる。彼女に綺麗な赤い靴を毎日履いて欲しいとプレゼントする。その靴を自ら履かせる技術師の倒錯めいた様子は、フェティシストを超えたパラフィリアにちょっと近いのではないかとも思える。その靴はイリスの伸びやかで形のよい脚にピタリと張り付く。もうその靴以外は履けないかのように。そして、彼女の脚だけにとどまらず、彼女そのものを侵食してゆくかのように。イリスは禁断の扉を開ける。彼の究極のフェティッシュとして存在することさえもいとわずに。


小川洋子さんの原作の世界観を、フランスの女性監督 ディアーヌ・ベルトランが舞台をフランスに変えて、忠実に、そして見事に再現している。五感を刺激するソーダ工場、凛と静まり返った謎めかしさの漂う館と標本室。原作にない俗的な港町やホテル、幻想のなかを浮遊するかのような独特の空気感漂う色彩や描写も、音楽や音の使い方も、そして、登場人物さえも、原作以上に繊細で芸術性を帯び、全てを通して魅力的。オルガ・キュリレンコは元スーパーモデルなのだから洗練されているし、着こなしも素敵なのだけれど、それをどこか素朴で憂いを湛えた繊細な役作りのオブラートで覆い、でもそれがとても魅力的なのだ。

この森で、天使はバスを降りた  THE SPITFIRE GRILL

2007–09–07 (Fri) 00:00
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そして天使は新たな伝説になった

     ★★★★★★★


彼女が夢見た美しく寂しいギリアドは
全てを再生するチカラを秘めた場所。


彼女は心に深い傷を負った戦士だった
いつしか心のドアを一つずつ開け放ち
戦士の鎧を脱ぎ捨てたとき


深い痛みと喪失の果てに訪れた
受容、母なる想いの顕在、浄化。


彼女はギリアドの美しい自然に溶けてゆく。


彼女は未来への徴 -しるし- を
種を蒔くようにそっとこの地に残した
それは、たくさんの小さな奇跡を芽吹かせてゆく。


悲しみ、共存、共鳴、恵み
命あるものすべてはこの地で再生し始める。


そして天使は新たな伝説になった。



----------------------------



邦題が原題に勝っている作品です。
ギリアドの自然が心洗われるように美しく
この物語の大事な要にもなっています。
美しい音楽もさり気なく映像を引き立てています。

彼女のひたむきで純粋な姿に
忘れていた想いが呼応するように湧き上がり
いつしか頬に涙が伝っていました。

かもめ食堂  ruokala lokki

2006–04–11 (Tue) 00:00
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幸せなのは美味しいこと

普通だけど何だかおかしい人々。
そんな人々が織り成す
妙に懐かしく心地良い、
かもめ食堂の物語。


★★★★★★★★   公式サイト


東京から10時間、日本から最も近いヨーロッパの国、フィンランド。そんな何だか遠くて近い国フィンランドの首都ヘルシンキの片隅で日本人のサチエが健気に営むかもめ食堂。

かもめ食堂は決して人を拒絶しない。あくまでもゆるやかに当たり前に美味しいコーヒーを淹れて誰にでも開かれている。でもカフェではなくあくまでも食堂なのがサチエのこだわり。通り過ぎていたフィンランドの人々もふと立ち寄りたくなるそんなお店。人間てなんとも愛しいものだな。そんな風にここで綴られる人間模様は感じさせてくれる。

フィンランドで偶然出会ったごく普通の日本人、サチエ(小林聡美)とミドリ(片桐はいり)とマサコ(もたいまさこ)彼女たち三人の存在感がなんとも絶妙で凄く良い。 
きっとこの国の人たちは日本人とどこかしら似ているし、日本人の置き去りにした素朴な何かを持っている気がする。だからこそ、演じた彼女たち自身も、せかせかとせず流行に左右されず、自分をしっかり持った自然体なところがこの国に馴染んでいるのだ。
絶妙な間や、ちょっぴり不思議なファンタジーシーンも、なんだかゆるぅーく心地よくどこかクスっとなるのが良い。スナフキンとミーが父親違いの兄妹だったなんて知られざる事実にも軽い衝撃が(笑)

開店して一ヶ月経っても全く客足のないかもめ食堂。それでもサチエは市場に買出しに行き、リネンでコップをピカピカに磨き準備を整える。
そこには彼女の信念があるのだけど、彼女を見ていると、当たり前のことを当たり前にきちんと繰り返すことの重要性を体感した気がした。それも主婦だったら、日々家事の繰り返しに飽き飽きとして、生き甲斐を見出せないことも日常にはある。
でもサチエが教えてくれるのは、その当たり前のことをきちんとこなすことの中に、贅沢で素敵なことが秘められているのだということ。まごころを込めた仕事には、誰かが幸せを感じてくれればというひそやかな喜びがある。彼女の立ち振る舞いには、そんなオーラが穏やかに放たれているから、見ていて清々しい。

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食堂には、色とりどりのヌルメスニエミのコーヒーポットが大小5個も並んでいる。これはディスプレイの為のモノだけど、やっぱり可愛いなぁ。アルテックの家具にイッタラの食器、そこに料理を盛った和食器がまた馴染んでること。あぁここのコーヒー、飲みたくなるくらい美味しそう。コピ・ルアックのおまじないやってみようかな。
サチエの自宅のキッチンでは、サルパネヴァのキャセロールからじゃが芋の煮物をよそっていた。以前、買おうか買うまいか随分迷ってたこのお鍋。さらっとこんな風に使ってみたいものだ。そしたら食堂の方にも待機してた。

パン生地にシナモンを振りかけてくるくる巻いていくシナモンロールの焼きあがる瞬間漂う良いカオリ。ジュジュっと揚げた唐揚げや豚カツをザクザク切ってお皿の上へ。そして三角に握られるおにぎり。それをたいらげるフィンランドの人々の笑顔が楽しい。
でも、お腹が空いていた私には非常に危険な感じ。劇場はお腹が鳴ると意外と響くんだもの(笑)

それにサチエの洋服やキッチンの布巾までもがさり気なくて素敵でツボ! 柄on柄でもフィンランドテキスタイルの上級な組み合わせならこんなに可愛いものなんだ。あのエプロン欲しいなぁ。マサコさんのマリメッコもインパクト有ったけど、なんか粋だったな。

あとプールに浮かんだサチエとBGMでつぶやくように流れる白いカーネーションのシーンの浮遊感が妙に好き。トンミとミドリ、マサコとリーサの会話も微笑ましくも妙に可笑しい。いいなこのセンス!
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きっとDVD買うな。かもめ食堂で繰り返される日々の営みも、ミドリの手描きのメニューも、フィンランドの澄んだ空やアースカラーな風景も、この国の持つ淡々とした空気感も、クスッと笑えるセンスも全部良い!
パンフも&サウンドトラックのジャケットも可愛くてこれまたツボです。むふ。
テーマ→かもめ食堂 / ジャンル→映画

クラッシュ CRASH

2006–02–22 (Wed) 00:00
wallpaper_dad_1024.jpg2006年度アカデミー作品賞受賞作! 

   人はぶつかり合う。
   人は人を傷つける。 
   それでも人は
   人を愛してゆく・・・

★★★★★★☆   ■公式サイト


愛が擦れ違い、哀しみが砕け散る、さらに激しい衝突が繰り返されていく・・・。

人種のるつぼ、そしてその国の根底に人種差別の問題を抱えるアメリカ。この国が抱える心の闇と病の断面を、カメラは色んな人種や立場の登場人物で綴れ織り、群像劇として追ってゆく。ラブ・アクチュアリーの人間ドラマ版といった感じ。音楽の使い方も印象的です。

この作品は、この瞬間もどこかで起こり得る現実が投影されていて、心が痛く、悲しく、せつなくなる物語でした。

日本人に生まれて、人種差別や銃がらみの事件を意識するのは映画やニュースの中だけ。だから、弾丸を売る店の店主がペルシャ人のファハドをイラク人と間違えてキレる背景も、ファハドが被害妄想的な背景も、バッグの中には拳銃が?という妄想も、そこに居なければ心底理解できないのではないか・・・と思った。

肌の色、国の違い、貧富、その違いで生まれる差別意識の根底に、幾層にも絡まり合った人間の底知れぬ不安が生み出す闇が混在する。

人は愛がなければ生きていけない・・・最近、特にそう思うのです。
愛を見失ってしまいそうな時、不安を打ち消すために誰かにぶつかり
言葉や態度で人を傷つけることしかできなくなってしまう・・・。
そして、未熟な自分への後悔と共に、愛はすぐ側に存在していることにやっと気づく。

マット・ディロンアウトサイダーランブルフィッシュで観て以来ですわ。何十年振りでしょう。実は、昔ファンたったので、わーこうなっちゃったんだ・・ってイメージ変わってしまったわぁ。。でも、この役にはとても合ってました。

  「パパ、安心して。私が守ってあげるから」

「パパが5歳の時、弾丸を通さないこの透明マントを妖精にもらったんだ。」

銃声を怖がる娘ララにパパが着せてくれた透明マント。
娘がパパに抱き付いた瞬間、響き渡る銃声・・・・。
大切な者を守るために、偏見や言いがかりにも負けないダニエルの姿、愛娘のやり取りが、ファハドだけじゃなくて、この物語全体も、私の心も浄化してくれたような気がして、胸の深い部分から涙がこみ上げそうだった。
人は皆、誰もがララのように純粋だったはず・・・。

ぶつかって、壊れそうになっても、人は人によってしか救われない。

登場人物が多くて把握しきれず、ファハドを当初アラブ人と書いてしまいました(汗)charlotteさん、ありがとうございまーす^^

クレールの刺繍

2006–02–16 (Thu) 00:00
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刺繍の織り成す喜び





★★★★★★★





そこはフランスの片田舎。キャベツ畑、朝食に出てきたボンヌママンのジャム、アンティークのカフェオレボウル。刺繍細工が一杯のアパートメント。しっくりとアンティークが馴染むアトリエ。そして、ラクロワという憧れとの繋がり。
クレールを演じたローラ・ネマルクは実際にも妊婦で、彼女の縮れた豊かな赤毛を束ねるしぐさと、心情を静かに伝える淡い瞳が印象的だった。

天職と適職、最近よく聞く言葉だけれど、クレールにとって、まさに天職である刺繍。妊娠という未知の不安を抱えた彼女が、刺繍に喜びを感じて、生きる術を見つけてゆき、苦しみから抜けられないメリキアン夫人も、彼女との関わりで生き甲斐を取り戻してゆく。

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まるで、絡まった糸がほどけてゆく様に、年齢の違う二人の心が通い始める。刺繍という芸術を通して信頼と思いやりを育くみ、とうとうクレールが子供を育てる決意をする時、開き始めた花びらのような微笑みを交わす二人が印象的だった。

それは、まるで星屑みたいに散りばめられた刺繍の天蓋。そして、息をのむほど繊細なオートクチュールの芸術。一針一針に織り込んだ作り手の想いが結晶となって、ため息が出るほどの美しさを放っている。公式サイトもとても素敵なのです。

誤って布を裂いてしまったクレールに、メリキアン夫人は、
「やり直しがきくわ」と笑う。そんな風に、何度でも繕って補修して、それが自分だけの深い味わいになるような豊かな人生を歩みたい・・・そう思った。

【Story】はこちら↓
追記 – open
テーマ→見た映画 / ジャンル→映画

拘束のドローイング9  DRAWING RESTRAINT9

2006–02–12 (Sun) 00:00
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 愛の変容

マシュー・バーニー&ビョークのアートなお伽噺
Transformation of Love

★★★★★★    公式サイト


金沢21世紀美術館でも展示されていた、マシュー・バーニーのアート。
「拘束のドローイング9(DR9)」の映像世界。3週間限定上映とあって、しかもDVDにならないという噂もあるじゃないですか! これは観なければ・・・ってことで、渋谷シネマライズへ行ってきましたよ。初日に。

「クレマスター・サイクル」でも絶賛を浴び、ドローイングをテーマに作品を発表してきたバーニー。日本の伝統文化でもある「茶道」や「捕鯨」をモチーフにした、ラブストーリーをめぐる「変態」の物語です。

まず、ラッピングする日本女性の手元が写し出されるのだけど、ここで早速、五感を揺さぶられ始めました。 だんだん、それが婚礼の引き出物だと分かるのだけど、その流れるような手さばきと、紙と紐の素材感や形作られる美しさが、私には心地良かった。

なんかね、一定のリズムをもって、映像、色彩、質感、音、が迫ってくるような、なんとも不思議な世界なのですよ。

d0061243_16492195.jpgこの作品、主な出演者はバーニー本人と愛妻ビョーク。あとは普通の日本人たちなのです。日本人の整然とした作業風景やおもてなしが、その一定のリズムにぴたりとはまってるんですねー。その不思議な作業を、当たり前のようにこなしている姿も、不思議な感じがしましたわ。


身を清められ、毛皮でできた羽織袴や白無垢を着付けられ、日本髪を結われ、眉を剃られ、お歯黒を塗り、ほら貝を背負わされた二人ですが、バーニーの全裸にはビックリでございました。笑 次第にできてゆく完成形は、日本の神道の婚礼をクリエイティブにしたようなお洒落さです。ただ、ちょっと重そうでしたけど。笑

茶室でのお茶のたて方も面白いのですよ。お道具が貝のお碗だったり、ホネ貝でお茶をたてたり、全て貝でできてるのです。

scan0020wbs.jpg  

鯨の体内で生成される希少な媚薬「竜涎香」の甘美な魔力によって惹きつけ合う二人が、情動と狂気によって、ファーストエンブレムの完成と共に脱皮してゆく変容形と開放に、あーそういうことね・・って思いました。
感じたことは、「拘束を解き放ち、真の開放を得る」そして、「拘束の中にも真の開放が有る」どちらも、普遍的な人生のテーマなのだと気づきます。

まあ、アートな作品なので、理屈に捉われず御伽噺として観て来ましたが、空気感のある色彩や音は好きでした。
それから、ビョークの歌がすっごく良くて、CD購入しようかと思ったほどです。取り敢えずぐっとこらえて、以前のCDをレンタルしてきました。ビョークの作曲を、宮田まゆみさんがパールを纏った凛とした後姿で笙を奏でるのも印象的でした。

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テーマ→見た映画 / ジャンル→映画

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