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パフューム ある人殺しの物語   DAS PARFUM

2007–03–10 (Sat) 00:00
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公式サイト

★★★★★★☆ 



全編通して、映像から臭覚を刺激された初めての感覚。
人は視覚を通して、ニオイを感じることができるのだとこの作品は証明してくれた。映像から匂いたつような様々な香りは、イメージから脳へ到達し、ときには陶酔した感覚さえ共有できるものだった。

物語は18世紀のパリ。魚市場にいざなわれた観客は、そのリアルな映像の中に、まるで見えない悪臭がむせかえるように充満している不快感に襲われる。魚の死骸とウジのうごめく中で産み落とされた、類まれなる驚異の臭覚を持つジャン=パティスト・グルヌイユ 自らも気づかぬ目的の為にただひたすら生き抜くグルヌイユが、心奪われるのはあらゆる匂いだけ。 
ある日、少女から醸し出される匂いに取り憑かれた彼は、自分の使命に目覚めてしまう。香りをどうにか保存しようと考えた彼は、その手段として香水の調合士となり、入浴の風習がなく悪臭漂うパリの街で、彼の調合した芳しい香水は優雅な人々を魅了する。でも、それは彼の求める匂いではなかった。 彼は、ただひたすらに理想の匂いとその保存方法を執拗なまでに追い求め、数々の穢れなき悪業を重ねてしまう。

グルヌイユ。孤独な天才。穢れなき悪行をどう見るかは観客に委ねられるだろう。そして、驚くべき二段仕込のラストも物議を引き起こしている。
 
私はこの作品に入り込みながらも、入り込めない感覚があった。それは、私が決して彼にはなれないから・・なんだと思う。だからグルヌイユの行為をどう解釈してよいのかさえ解りかねた。 
しかし、彼は愛されたことがない。愛したこともない。そして愛する術も知らない・・・ 彼の中に存在しないはずのものが地下水のように存在し、それが醗酵して仄暗さをまとった歪んだ本能になってしまったとしたらどうだろう・・・

ただひたすら求めたものは、彼にない「体臭=アイデンティティ」そのものだったのだろうと思う。必要だったその結晶で神に近づけたとしても、決して満たされることはない。愛し愛されたこともなく、愛する術も知らない彼は、本能の中で愛を無意識に求めていたということなのか・・・

それにしても、監督トム・ティクバは、小説の世界観を見事に再現している。当時の生活の匂い、苔生すような自然の匂い、そして様々なモノの匂いと臭いが混在する様が、スクリーンを超えてこちらへ伝わってくる、18世紀のパリを体感するような見事な映像化に成功している。
ベン・ウィショーは純粋さと狂気さを併せ持つグルヌイユそのもの。彼の演技は素晴らしかった。そして、レイチェル・ハード=ウッドもとても良い 私の中でローラを殺さないで!と何度ハラハラしたことか(笑)イングリッド・バーグマンを彷彿とさせる、端正な顔立ちと穢れなき美少女ぶりで物語を引き立ててくれる。そしてベルリンフィルの音楽も素晴らしくて、とても物語を繊細に感じさせる効果になっている。 

結局、何か私の中でやはり入り込めないものが残った。なんとも言い難いスッキリしない感覚。途中からファンタジーに変わって、余計に距離を感じてしまったのが残念だけれど、それも原作に忠実なのだから仕方ないということか・・・ 結局、何が残ったのだろうか・・・と言われたら映像の中で感じた匂いと、鋭くなった臭覚だろうか。。。
しかし、映像の見事さと俳優陣の素晴らしさ、この独特の世界観は観て損はないものだったと思える。

1500万部突破の大ベストセラー、パトリック・ジュースキントの小説「香水~ある人殺しの物語~」はグイグイ惹きこまれる作品らしいので、こちらもぜひ読んでみたいと思う。

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