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スタンドアップ  NORTH COUNTRY

2006–01–26 (Thu) 00:00
north_country-square_0.jpg

力もない。自信もない。味方もいない。
それでも、立ち上がってみようと思った。

★★★★★★★☆ 評価


【Story】暴力夫に見切りをつけ、子供二人を連れて実家に戻ったジョージー・エイムズ。 未婚の母として子供を産み、今は離婚してシングルマザーとなった彼女への周囲の視線は冷たかった。世間体を気にする父の理解も得られず、彼女は自立して子供たちを育てる為に、収入の良い炭鉱の仕事を始めた。しかし、女がその世界に入ることへの男たちの風当たりは強かった。職場での女たちへの屈辱的で執拗なイジメやセクハラに、ジョージーは味方もないまま一人で立ち上がる・・・。


たった一人で企業訴訟を起こし、男女雇用均等法や、セクハラ防止法を全世界に広める足がかりを作った、ロイス・E・ジェンセンの実話の映画化。
これは女性にとっては特に興味深い内容だと思う。

ほんの15年前には、セクハラという言葉さえ一般的ではなく、まだまだ男女雇用均等法さえ確立されていなかった。私だったら、きっとあんな職場2日と持たず逃げ出していたと思う。でも、彼女たちのように守るべき者がいたらどうだろう・・・。
特別ではない、ただ普通の幸せが欲しいそれが彼女の願い。でも、それを得るのはなんて険しいことだったのだろうか。組織に渦巻く怯えや恐れはまるで壁のように立ち塞がっているようだった。
 

 弱者に向かう集団心理の怖さ

この作品では色んな角度からそれを考えさせられた。教育現場や職場でのイジメ問題は現代とも重なってしまう。

保守的な田舎にありがちな集団心理。シングルマザーだから男好きで素行が悪いという偏見やレッテルで、家族にまで及ぶ風当たりや、あらぬ噂を振りまく人々。何か異質なものを排除しようとする心理が、その常識人たちを無意識とも故意とも取れる法に触れない一種の犯罪に駆り立ててしまう。

男女平等の名の下に女性を受け入れることになった炭鉱でも、職場を奪われるのではないか・・・という男達の集団心理が、犯罪とも言うべきレベルの嫌がらせを生み出している。人間としての尊厳さえ失われている状態がまかり通り、それが実話に基づくとは・・もう言葉を失ってしまった。
img20060113_2.jpg
 
誰も味方がいないままジョージーは立ち上がる。裁判と言うものには、必要性の無い残酷さが感じられる。訴訟人の過去を必要以上に暴きたて、更にはかさぶたを剥がして塩を塗りこむようなことさえする。証拠がなければ捏造さえ真実になりかねない。

出生の秘密を知った息子を、何よりも案じるジョージーの気持ちは同じ母親として辛かった。
「あなたは私だけの子」その言葉が心に深く沁みてくる。 そして、彼女の姿に打たれた人々が、少しずつ心を開く様子も感動的だった。
数々の試練が彼女を強くし、過去の自分を受け入れさせ、周囲との再絆を遂に果たさせたのだろう。人生に無意味なことなんてきっとないんだよね。

モンスターに続いて、シャーリーズ・セロンの力強い魂のこもった演技は、演じているというより衝き動かされた想いみたいなものが籠められていた。フランシス・マクドーマンドの熱演、脇のショーン・ビーン、リチャード・ジェンキンズ、シシー・スペイセクもそれぞれに手堅く持ち味を生かしている。

2時間ちょっとの間、1分足りとも時間を意識させない脚本や映像は見事で、
ニキ・カーロはセロンが熱望したほどの一流監督なのだということが納得できた。クジラの島の少女もぜひ観てみたい。
素晴らしい作品で、観る価値も大きいのは間違いない。 ただ私個人は、じんわりしたものの、覚悟したほど泣けなかった。必要以上に泣かそうという、わざとらしさがなかったのもある。でもそれだけでなく、裁判の収束がちょっと早すぎる・・・と感じたから。実際は収束するまでに13年の歳月を経ているのだから。

ありのままに存在するミネソタの大自然の、人間をまるごと包み込むような雄大さも印象的だった。 そして、ロイス・E・ジェンセンが立ち上がらなければ女性の権利確立の道は先送りにされていた。女性として彼女に心から感謝したい。
テーマ→映画レビュー / ジャンル→映画

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コメント

頑張りたい

こんにちは~!TBありがとうございました。
>弱者に向かう集団心理の怖さ
…この辺は原題の意味が響いてきます。
また組織の中では誰もが弱者です。
ここまで確立された社会で女性が気持ちよく働けるようになったのは
この実話が元になっているとすれば、本当に感謝です!
グローリーもジョージーも愛する家族の為に、体を張って働いていました。誰かの為に一生懸命になりたい…と思わせてくれた作品でした。

charlotteさんへ

charlotteさん コンバンワ。こちらこそTBありがとうございます。
原題からは閉鎖的な意味合いも感じ取れますよね。
>組織の中では誰もが弱者です。
ほんとにそうですね。女性だけでなく、場合によっては男性もそうだと思います。
グローリーはただただ頑張りすぎて痛々しかったですね。当たり前のことを当たり前にすることが、あの時代、ほんとに大変なことだったんだなーと感じました。そんな中、過去を暴かれても諦めなかったジョージーの強さは凄いです。真似できないけど、母親の強さ見習いたいです。

こんにちは。
「弱者に向かう集団心理の怖さ」とはずばりな表現ですね。
世の中にはそういうこと、たくさんありますよね~・・・
また遊びにきます。

pontsさんへ

pontaさん コンニチワ。
そうですね。異質なものを排除する心理は何かしらの不安から起こるのでしょうね。
世の中、そういうことが溢れてますが、自分がその仲間入りだけはしたくないな・・と思いました。また、いらしてくださいね。

久々に良く出来た作品を観ました。構成が良く、焦点がぶれないところが性別に関係なくこの作品が指示される所以であると思います。また後半のボルテージの上がり方は近年、稀にみる作品ですね。公開中に、もう何度が観たい作品です。

turtooneさんへ

turtooneさん コンバンワ。
ニキ・カーロは素晴らしい監督さんですね。映像と構成の良さで中だるみせず一気に見せてくれました。それにセロンは演じてる感じがしませんよね。ほんと良い女優さんです。これからも楽しみです。

理想の相手をゲット!

主に性的な癒しを求める女大半ですので貴方の優しさで
包み込んであげて下さい(´▽`*)女性ユーザの
約80%は現役風俗嬢やキャバ嬢ですょ★

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